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阿川弘之著「井上成美」を読んでいます、きっかけは娘阿川佐和子のテレビで言ったせりふ。初めてエッセイを出版するときに弘之氏に見せたら「そんな日本語はありません」と本が赤くなるほど添削されたという。だから弘之氏の文章を読みたくなって伝記三部作のひとつ「井上成美」を買ってみました、なるほど簡潔でスラスラ読める文章です。
この井上成美という人物、終戦直前現役の海軍大将で米内海軍大臣の次官を務め終戦工作をした人、戦時中は海軍兵学校の校長を務めた人ぐらいしか予備知識がなかったが、読んでみるとこれまた凄い個性的な人物。ズケズケ直言し武人としての評価は低かった人がなぜ大将にまで昇進し、海軍次官を務めたか?高潔な人柄ゆえ終戦後の壮絶な貧乏生活、武人とは逆に教育者としての評価は高い。
戦時中の兵学校で猛反対の中英語教育を貫徹し、ジェントルマン育成に邁進した一徹さ。校長在職中に退役中の鈴木貫太郎がふらりと兵学校を訪れ、ふたりで「兵学校の教育は20年後に結果が出る」と語り合ったという。先ごろこの鈴木貫太郎伝を読んでいるだけに感銘が深い。ここに終戦に導いた総理大臣鈴木、海軍大臣米内、次官井上のポリシーがある。次は三部作のもうひとつ「米内光政」を読んでみようと思う。
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